自分のサイトをPageSpeed Insightsで測ったら40点だった。落ち込みますよね。
でも「他のサイトは何点なのか」を知らないままだと、40点が悪いのかどうかも判断できません。目標を100点に置くべきなのか、60点で十分なのか。基準がないまま作業しても、終わりが見えないだけです。
そこで、日本の人気サイト728件を実際に計測しました。 結論から言うと、モバイル性能の中央値は 45点 でした。
調査方法
恣意的にサイトを選ばないよう、公開されているランキングを使いました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | Trancoランキング上位の .jp ドメイン 1,000件 |
| 計測 | Google PageSpeed Insights API(モバイル・PC両方) |
| 計測日 | 2026年7月28日 |
| 有効件数 | 728サイト(1,456リクエスト) |
1,000件のうち272件は計測できませんでした。DNSが解決できないドメイン(CDNや広告配信用など、そもそもWebサイトではないもの)が159件、アクセスを拒否されたものが38件などです。
なお、計測前に「本当にサイトが存在するか」を確認しています。理由は後述しますが、これをやらないと数字が壊れます。
結果1:モバイル性能の中央値は45点
いちばん知りたい数字がこれです。
| モバイル | PC | |
|---|---|---|
| 中央値 | 45点 | 62点 |
| 平均 | 47.9点 | 62.4点 |
さらに分布を見ると、実態がはっきりします。
| 評価 | モバイル | PC |
|---|---|---|
| 不良(0〜49点) | 56.0% | 30.3% |
| 要改善(50〜89点) | 37.9% | 54.9% |
| 良好(90〜100点) | 6.1% | 14.7% |
日本の人気サイトの半数以上が、モバイルで「不良」判定です。90点以上を取れているのは16サイトに1つしかありません。
つまり、あなたのサイトが40点台でも、それは「よくある状態」です。まず落ち込む必要はありません。
結果2:モバイルはPCより14点低い
同じサイトをモバイルとPCで比べると、82.7%のサイトでPCの方が高得点でした。差の中央値は14点です。
PCで見ている限り快適なのに、モバイルでは重い。これは特別なことではなく、ほぼ全てのサイトで起きています。
そしてGoogleはモバイル版を基準に検索順位を決めています。PCで確認して満足していると、評価されている側の数字を見逃すことになります。
詳しくはモバイルフレンドリーとSEOで解説しています。
結果3:SEO設定はほとんどのサイトができている
意外だったのがこれです。
| スコア | 平均 | 90点以上の割合 |
|---|---|---|
| SEO | 92.5点 | 77.1% |
| パフォーマンス | 47.9点 | 6.1% |
SEOスコア(タグの設定など基本項目)は、大半のサイトがすでにクリアしています。
これは重要な示唆です。titleタグやmeta descriptionを整えるのは当然やるべきですが、そこは差がつくポイントではないということです。周りと差がつくのは表示速度の方です。
とはいえ、SEOスコアが90点未満のサイトも22.9%あります。まだ整えていないなら、SEOチェックリストで基本項目を先に潰してください。コストが低く効果が確実な領域です。
結果4:いちばん弱いのはアクセシビリティ
見落とされがちですが、最も点が伸びていないのがこの項目でした。
72.3%のサイトがアクセシビリティ90点未満です。
減点されやすいのは、こういった基本的なところです。
- 画像に代替テキスト(altテキスト)がない
- 文字と背景のコントラストが不足している
- ボタンやリンクに説明ラベルがない
altテキストは画像検索からの流入にも関わるので、SEO面でも取り返しやすい項目です。書き方はaltテキストとは?画像SEOの基本にまとめています。
結果5:4項目すべてで90点以上は0.8%
パフォーマンス・SEO・アクセシビリティ・ベストプラクティスの4項目すべてで90点以上を取れていたのは、728件中6サイト(0.8%) だけでした。
日本を代表するサイトが総力をあげてもこの割合です。個人や中小企業のサイトが全項目満点を目指すのは、費用対効果が合いません。
おまけ:65.5%は「www」がないと表示されない
計測作業中に分かった、かなり意外な事実です。
計測できた728サイトのうち、477件(65.5%)は www. を付けないとアクセスできませんでした。 https://example.jp/ ではつながらず、https://www.example.jp/ でのみ表示されるという状態です。
これ自体はすぐ問題になるものではありませんが、名刺やチラシに www なしのURLを書いていると、その導線は機能していません。自分のサイトで両方試しておくことをおすすめします。
で、何をすればいいか
このデータから導ける優先順位はシンプルです。
- 目標は90点ではなく「50点超え」に置く — 半数以上が50点未満なので、超えるだけで上位半分に入れます
- 必ずモバイルで測る — PCの数字は14点ほど甘く出ます
- タグ設定は済ませたら次へ — 77%ができている領域なので差がつきません
- 画像まわりを直す — 表示速度とアクセシビリティの両方に効く、いちばん効率のいい一手です
無料のSEO診断ツールなら、URLを入れるだけでこれらを一括で確認できます。
このデータの限界(正直に書きます)
数字を鵜呑みにしてほしくないので、限界も書いておきます。
1. これは「ラボデータ」です
PageSpeed Insightsのモバイル計測は、低速回線・低スペック端末をシミュレートした厳しい条件で行われます。実際のユーザー環境(フィールドデータ)はこれより良い数字が出ます。Googleが検索順位に使うのはフィールドデータの方です。今回の数字は「同じ条件で比べたときの相対的な位置」として見てください。
2. トップページのみの計測です
各サイトのトップページだけを測っています。記事ページや商品ページはスコアが異なります。
3. 計測は1回きりです
スコアは計測のたびに数点変動します。個別サイトの点数ではなく、728件全体の傾向として読んでください。
補足:この調査でつまずいた話
最初の計測では、TBSやWeblioが「モバイル100点」という結果になりました。
おかしいと思って実際にアクセスしたところ、tbs.co.jp は 872バイトの404ページを返していました。多くのサイトが www なしのURLではエラーページを返すのですが、そのエラーページが軽いために満点判定されていたのです。
そのまま公開していたら、実在しないページを「日本最速のサイト」として紹介していました。今回は計測前に「200が返るか」「HTMLか」「十分な大きさか」を検証してから測り直しています。
よくある質問
Q. 日本のサイトのPageSpeedスコアの平均は?
今回の調査ではモバイルの中央値が45点、PCが62点でした。人気サイト728件を実測した数値です。
Q. PageSpeedスコアは何点あれば十分ですか?
まず50点超えを目標にしてください。調査では56%のサイトがモバイルで50点未満だったため、超えるだけで上位半分に入れます。
Q. モバイルとPCでスコアが違うのはなぜですか?
モバイルの計測は低速回線と低スペック端末をシミュレートするためです。82.7%のサイトでPCの方が高得点で、差の中央値は14点でした。
Q. 90点を目指す必要はありますか?
多くのサイトでは不要です。4項目すべてで90点以上を達成していたのは728件中6件(0.8%)で、費用対効果が見合わないケースがほとんどです。
合わせて読みたい
- ページスピードとSEOの関係|Core Web Vitalsを分かりやすく解説:今回計測したスコアの意味と改善方法を解説しています
- モバイルフレンドリーとSEO:モバイルとPCで14点差がつく理由と対策をまとめています
- SEOチェックリスト|サイト公開前に確認すべき20項目:SEOスコアで減点されている22.9%に該当する場合はこちらから
まとめ
- 日本の人気サイト728件のモバイル性能は中央値45点。半数以上が「不良」判定
- モバイルはPCより14点低い。Googleが見ているのはモバイル側
- SEOタグ設定は77%ができており、差がつくのは表示速度
- アクセシビリティが最弱で、72.3%が90点未満
- 4項目すべて90点以上は0.8%。満点を目指す必要はない
目標を「100点」ではなく「50点超え」に置き直すだけで、やるべきことがはっきりします。